2011年12月24日土曜日

ESM-2 VCO の作成・・・その1

今の天気はくもり、気温 -3度。
ラジオからクリスマス・ソングが流れています・・・syncton です、こんばんは。

今回から RJB さんが設計した VCO の作成に入ります。
「え? どうして Analog2.0 の VCO じゃないの?」
・・・って事ですが、元々は yusynth synth を作ろうと思って VCO を LTspice に入力したんですが、うまく動かすことが出来なかったんです。次にチャレンジしたのが Analog2.0 のVCOですが、これも同様に動かせなかった。
そして RJB さんのESM-2 のVCOでテストしたところバッチリ動いてくれました。
私の場合、電子工作の知識がないので LTspice で動くことが第一条件になんですよ。
なので、今後の方針としては音声系は ESM-2(VCO,VCF,VCA,ノイズ・ジェネレータ)、制御系はAnalog2.0(LFO,ADSR) にしてみようと思っています。ただ、VCO以外はまだLTspiceでテストしていないので、動かなかった場合は計画を変更しながら進めていく予定です。

まずは、LTspice に回路を入力。

シミュレートしながら動きを色々試しています・・・
LTspiceにも少し慣れてきたよ
例えば、CVに1Vを入力した時の波形は?
上段がCV、下段が波形。
これ面白いなぁ~。波形の途中で周波数が変わるんだね。
ちなみに、このシミュレートでは550Hzくらいで発振している。
次は CV=1V、PWM-INにスイープ電圧(0V→4.5V→0V)を与えた時は?
上段がCV、中段がPWM-INへの電圧、下段が矩形波。
電圧によってデューティ比が変わるのが解る。
このシミュレートで気がついたことは、PWM-INに約4.5V以上を与えると矩形波のデューティ比が100%以上?になってしまうこと。この点は実装した時に確認したいと思います。ひょっとしたらPWM-INの抵抗(R117)の所に半固定抵抗を入れて調整出来るようにした方が運用しやすいかも・・・と素人考えですが思いました。
そういえば、Roland SH-1 の VCO の調整箇所には矩形波のデューティ比を微調整する半固定抵抗があったなぁ~。

私の場合、PWMへの入力はLFOのみに限定するのではなく他のソースからも変化できるようにしたい。またシーケンサーにCMU-800を使用するので、PWMをCVで変化させたい時に注意が必要になると思う(CMU-800のCVは最高5.25Vまでコントロールできるため)。


では、例によってPCBEに転記してブレッドボードでテスト・・・と思ったのですが回路の規模が大きくなったのでブレッドボードに乗せられるか心配になってきた。
まずはシンプルにしようと思い、SYNC関連とWave Shaper?の部分は省略して、のこぎり波のみにしてみた。
結構時間が掛かったけど省略できた
よし、これでPCBEに転記してブレッドボード用にレイアウトすると・・・
ひゃ~、回路が大きくなるとレイアウトするのが難しぃ~
実装回路のオリジナルとの相違点は、
・TL072→TL074に変更(配線の取り回しが難しかったため)
・タイマーICはLMC555→NE555N(CMOSは静電気に弱いらしいため、もう少し慣れてから使用したい)
・温度補償抵抗(Tempco)は持っていないので普通の抵抗を使用
・アンチログのトランジスタのマッチングは行っていない(まだやり方が良くわからないため)

では、PCBEのレイアウトを見ながらブレッドボードに実装。
なんか配線が凄くなってきた・・・
何度か配線のチェックをし電源オン・・・
スゲ~、音鳴ってます!
生まれて初めての自作シンセの音・・・うれしい~!

ドキュメントを参考にVCOの調整です。調整箇所は二つ。
1.スケールの調整
半固定抵抗(RV102)でオクターブ間の音程が正しくなるように調整する。
基準音をA4(440Hz)を中心にやってみた。
2.VCOの音程の調整
半固定抵抗(RV101)でMIDI Note No.=69(A4)が440Hzになるように調整する。
この時、TUNEおよびDETUNEのボリュームはセンター付近にしておく。

ブレッドボードにTUNEとDETUNE用ボリューム、CMU-800からのCV、VCOの出力をミキサー経由でPCに接続をして音を鳴らしてみました。
実際に調整しているところ・・・
周波数の測定はWindows用ソフト(WaveSpectr)を使用。
(FFTのサンプル数を最大にして測定精度を上げています)
結果は次のようになりました。
MIDI Note No(93:A6)=1758.3Hz(理想値:1760Hz)
MIDI Note No(81:A5)=  880.8Hz(理想値:  880Hz)
MIDI Note No(69:A4)=  440.1Hz(理想値:  440Hz)
MIDI Note No(57:A3)=  220.4Hz(理想値:  220Hz)
MIDI Note No(45:A2)=  110.0Hz(理想値:  110Hz)
お~、かなりイケてるんじゃない。
いや~、凄いですね。調整も簡単だし音もすんなり出ました。うれしぃ~!

・・・ってことで、また録音してみました。
今はVCOしかないので音が鳴りっぱなしです。CMU-800のポルタメントを少しかけ、六回多重録音してリバーブ&ディレイを掛けてます。
#いやぁ~、VCOだけでも楽しいよ~

出だしからいきなり音がボンとでますのでボリュームに注意してください。
J.S.Bach - Inventions #13(BWV.784)


次に温度による音程への影響をテストしてみました。
まだ、回路は解っていないのですが温度に関係するのはアンチログ回路だそうです。この回路ではおそらく、トランジスタ(Q101,Q102)、それと Tempco の指定がある抵抗(R109)あたりがアンチログだと思います。
そこでQ101とQ102を指で触ったところ、どんどん音程が変わります。
ちょっと触っただけで音程が変わるのには驚きました。
Q101を触ると音程が高くなり、Q102を触ると音程が低くなります。
実際の音・・・前半はQ101を触り、後半はQ102を触った時の音程の変化。



インターネット上の情報では二つのトランジスタとTempcoの抵抗を接着剤で貼り合わせると良いらしいです。
これらから推測すると二つのトランジスタで温度による音程の変動を相殺する仕組みになっているのかなぁ~と思いました。

最後に大きな問題がありまして・・・
作ったばかりの電源回路の放熱器を軽くたたいてみるとVCOの音程が変動します。
いじらない時は安定しているのですが・・・
これって、ひょっとしてあの「汚い半田付け」の影響で接触不良が出ているのでしょうか?
電源が安定しなければ他のモジュールのテスト結果も信用できなくなるよね。
う~、悲しい!

それと、今回テストしたVCOの波形をみてみると、のこぎり波のてっぺんに髭がでています。まだ、詳しく見ていないのですがちょっと気になります。電源が良くないのか?、部品を変更したのが問題なのか?・・・どう調査すれば良いのかも含めて宿題です。

あともう一つの確認しておきたいのは、温度変化時のオクターブ・チューニングへの影響です。これも宿題としておこう・・・

さて、この後どう進めていくのか!?

では・・・

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