2013年3月10日日曜日

Windows 7(64bit版) に OWON PDS5022S を接続する方法

今の天気 晴れ、気温 -6度

のんびりマイペースで EWICON 製作中の syncton です、こんにちは。

ひょんなことから、Windows7(x64)で オシロスコープ(OWON PDS5022S)が使えるようになりました。忘れないうちにメモっておきます。

今までは Windowns 7 にある「Windows XP モード」を立ち上げて PDS5022S の画面をキャプチャしていたんですが、「なんだかなぁ~・・・」と感じていました。

ところが、たまたま、ここの記事(OWON製オシロスコープPDS5022Sの活用電子工作マスターへの歩み Libusb-win32のインストール)を読んでいて気が付きました。
このオシロでは libusb と言うオープンソースのドライバーを使っているんですね。
libusb は以前 STM32VL Discovery の開発環境を作っているときに一度使用したことがあります。どうやら Linux , Mac や Windows などに対応した汎用USBドライバのようです。

・・・で、試しに最新版のドライバーをインストールしてみたところ、すんなり動いてしまいました。

この記事ではメーカー・サポート対象外のOSにメーカーとは無関係なコミュニティが作成しているドライバーをインストールしています。この為、パソコンや測定機器に重大なトラブルを引き起こす可能性があります。また、ドライバの競合により他のUSB機器が使用できなくなったり、手順を間違えるとPCが起動できなくなる可能性もあります。
以上のリスクを認識した上、インストールは自己責任で行ってください。
トラブル等が発生した場合はすべて自分で対処してください。

【その他注意事項】
この手順で導入したドライバーを簡単に削除する方法は今のところないようです(公式サイトより)。
削除する場合は PDS5022S を接続したUSBポート毎に削除の手順を踏む必要があります。
過去に接続した事のあるUSBポートを調べたり、いくつかの煩雑な作業が必要になりますので、よくわからない方は導入を控えた方が良いと思います。


導入の概要は以下のとおり
  1. Windows 7 の復元ポイントを作成する
  2. libusb をダウンロード&解凍
  3. PDS5022S をPCに接続
  4. libusb のウィザードを起動しPDS5022S 用ドライバを作成
  5. PDS5022S 用ドライバをインストール
  6. デバイスマネージャで確認
このように一般的なドライバーの導入とは少し手順が異なります。
後は通常どおりキャプチャソフトを起動し画面をキャプチャするだけです。

■ libusb インストール手順

以下の例では作業用フォルダーとして「c:\home\tmp」を使用してインストールを進めています。

1.Windows 7 の復元ポイントを作成する

障害に備え libusb インストール前に Windows 7 の復元ポイントを作成します。

1-1.[スタート]-[コンピューター] を右クリックしてから、[プロパティー]をクリック。
1-2.[システムの保護] をクリック


「作成...」ボタンをクリック


復元ポイントの名前を記入し「作成(C)」をクリック


しばらくすると・・・


これで復元ポイントの作成は終了です。
もしトラブった場合は「システムの復元」で元に戻すことができます。
詳細はマイクロソフトの「復元ポイントを作成する」を参照してください。

2. libusb のダウンロード&解凍

必ず最新版のドライバーをダウンロードしてください。

以下のサイトから Windows 版をダウンロードできます。

解凍後の「C:\home\tmp」フォルダーの構成



3. PDS5022S をPCに接続

PDS5022S をPCに接続すると以下のメッセージが画面右下に表示されます。



このメッセージをクリックしステータス画面を表示させます。


しばらくすると・・・



ドライバーのインストールが失敗しますので「閉じる」
USBケーブルは接続したままにしておいてください。

4.libusb のウィザードを起動しPDS5022S 用ドライバを作成

解凍したフォルダー内の「bin」フォルダーにある「inf-wizard.exe」を実行


「Next>」をクリック


VenderID:0x5345、ProductID:0x1234、Description:Oscilloscope を選択後
「Next>」をクリック
【重要ここでは必ず「Oscilloscope」の行を選択してください。誤って他のUSB機器を選択した場合は、その機器が使用できなくなります。


VenderID:0x5345、ProductID:0x1234、Device Name:Oscilloscope になっていることを確認し、「Next>」をクリック


PDS5022S用ドライバーのインストーラーの保存場所を指定し、「保存(S)」をクリック
今回は「C:\home\tmp」フォルダーに保存




「Install Now...」をクリックすると、作成されたドライバーのインストーラーが起動される。

5. PDS5022S 用ドライバをインストール

ここで「管理者パスワード」を求められた場合は入力してください。






「このドライバー ソフトウェアをインストールします(I)」をクリック
-参考-
この libusb ドライバ(version 1.2.6.0)にはデジタル署名がありますので Windows 7(x64)で問題なく動作します。(libusb ドライバ は version 1.2.0.0 よりデジタル署名をサポート)
しかし、INFファイル(セットアップ情報)はデバイス毎にウィザード実行時に作成されるので、この部分にデジタル署名を行うことはできません。このため検証ができないというメッセージが出力されます。 libusb-win32 公式サイトでも「このメッセージは無視してください」と書いてありました。詳細は公式ページ(libusb-win32)の「Device Driver Installation」を参照してください。




これで PDS5022S 用ドライバーのインストールは完了です。
作業用フォルダー(この例では C:\home\tmp)は不要ですので削除してかまいません。

6.デバイスマネージャで確認




「libusb-win32 devices」 の下に「Oscilloscope」が表示されていればOK

あとは「OWON Oscilloscope Software」をインストール後、起動しキャプチャすると・・・・


・・・こんな感じで撮れます。


■ libusb の削除

以下に削除手順を示しますが、特に問題がなければ削除する必要はありません。

注意事項
他のUSB機器で libusb が使用されている場合はこの手順で削除を行うと使用できなくなる可能性があります。もし、他のUSB機器が使用できなくなった場合はその機器のドライバーを再導入してください。

ドライバーを削除するには過去に PDS5022S を接続したことのあるUSBポート毎に以下の手順を繰り返す必要があります。
接続したUSBポートを調べたい場合は以下のツールを使用することができます。

「NirSoft USBDeview」
http://www.nirsoft.net/utils/usb_devices_view.html

参考までにUSBDeviewの画面を以下に示します。

VenderID:0x5345、ProductID:0x1234 が 
PDS5022S です。
この例では四つのUSBポートに接続したことがあることがわかります。

このツールを使用すれば個々のドライバーを指定して登録を解除することはできますが、ドライバー本体の削除はできませんので、ここでは説明しません。
使い方の詳細を知りたい方はUSBDeviewの公式サイトを参照願います。


ここではデバイス マネージャを使用したドライバーの削除方法を説明します。

1.OWON PDS5022S の電源を入れ、PCに接続する


2.デバイス マネージャを管理者権限で起動

途中で「管理者パスワード」を求められた場合は入力してください。

2-1.[スタート]-[コンピューター] を右クリックしてから、[管理(G)]をクリック。

2-2.[コンピューターの管理]-[デバイス マネージャ] をクリック

左ペインの「デバイス マネージャ」を選択すると
「libusb-win32 devices」が確認できる。
PDS5022Sは「Oscilloscope」と言う名前で登録されている。

3.ドライバーの削除



[libusb-win32 devices]の[Oscilloscope]を右クリックし[削除(U)]をクリック



「このデバイスのドライバーを削除する」にチェックを入れ「OK」をクリック。
このチェックを入れない場合は登録が解除されるだけで、次回PDS5022Sを接続したときにドライバーが自動的に再導入されます。

4.削除の確認

デバイスマネージャから[libusb-win32]の[Oscilloscope]が削除されていることを確認する。


以上でドライバの削除は完了です。


2013.03.10現在、私の環境(Windows 7 Professional Service Pack 1 - 64bit版)では問題なく使用できています。
libusb-win32 の詳細を知りたい方は公式サイトを参照してください。

これでイチイチ「Windows XPモード」を起動せずに気軽にキャプチャできる(^-^)y

では・・・

参考情報

「libusb 公式サイト」
http://www.libusb.org/

「libusb-win32 公式サイト」
http://sourceforge.net/apps/trac/libusb-win32/wiki

「OWON製オシロスコープPDS5022Sの活用」
http://middleriver.chagasi.com/electronics/owondso.html

「libusbについて - Linux工作室」
http://penguin.tantin.jp/hard/libusb%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.html

「電子工作マスターへの歩み Libusb-win32のインストール」
http://jujurou.blog34.fc2.com/blog-entry-301.html

「Windows 7 復元ポイントを作成する」
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows7/create-a-restore-point

「NirSoft USBDeview」
http://www.nirsoft.net/utils/usb_devices_view.html

2 件のコメント:

  1. syncton様

    こちらの記事を参考にさせて頂き
    SDS5032EでもWindows7 64bit環境でドライバ導入し
    ソフトウェアから認識できるようになりました。
    ありがとうございます。

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    1. コメントありがとうございます。
      後継機?でも、同じ方法でうまくいくんですね。
      Windows XPのサポートも終了してしまったので、現行機種くらいはOWONの方で対応してくれると嬉しいんですけどね・・・

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